バリ島で暮らす朝の時間

朝五時半。身体が重たく気怠い感じ。この歳になると寝不足(と二日酔)が一番きつい。(二日酔いは自分でコントロールできるようになったが、動物の鳴き声による寝不足はコントロール不可能)

平日、娘は学校があり、7時半には家を出発する。朝にバタバタ慌てるのが苦手なわたしは余裕を持って5時半に起きる。自分のペースで物事が進まないのが共同生活。それを見込んでの5時半起き。(細かくいうと、4時前から動物の鳴き声で目は覚めてる)

そう、急いでる時に限ってホストから話しかけられて、話し好きな旦那さんは一向に止まる様子がないのが日常茶飯事。

そろそろキッチンに行かねば…と重たい体を起こし、少し肌寒い外の洗面台で顔をバシャバシャと洗う。薄暗い洗面台で、よく見えないまま化粧までさっと済ます朝の10分。我ながら準備は早い方だと思う。

サッとエプロンを身に纏い、音をなるべく立てぬよう静かにキッチンへ向かう。

業務用かと思うほどの広く薄暗いキッチン。料理教室をやってるくらいだからこれは業務用か。正直なところ家庭用には広すぎて使いづらいというのはここだけの話。導線がよく、効率性を重要視したい私には、無駄な動きがどう頑張っても多くなってしまうのが気になる。(人の家なんだから文句言うなと自分に言いたいw)

弁当箱にアリンコ(蟻)が付いていないか入念にチェックするところから毎朝スタートするのが現実だ。この家の持ち主は料理人なだけあり、キッチンはきっちりと整理されていて清潔に保たれている。洗い物が出ればすぐに洗い、すぐに拭いて棚に中にしまう。ガスコンロも使用後はすぐに石鹸で綺麗に拭き取る。ダイニングテーブルは一日に4−5回拭いているそうだ。食べ物類はプラスチックケースの中にきっちりと収納し、棚の上にモノはなるべく置かない、などの徹底ぶりだ。それでもアリンコはいるのだ。

こういったことはバリ島では普通なのか、この家だけなのか…わたしにはまだ分からない。

弁当の中身は前日の夕方に作っておいてレンジで温めて詰めるだけか、簡単なメニューで済ますことが多い。なぜなら、朝から鍋やガス、まな板などを極力使いたくない。使用したら洗って、拭いて、棚に閉まって…という普通の家なら当たり前にできるこの作業が、広すぎるこの家では無駄に時間と労力が掛かる。

6時すぎには弁当を作り終えて、朝の珈琲タイム。大抵この時間にはホストが起きてきて、コーヒースペシャリストが淹れてくれることが多い。

この家に入居した初日….スペシャリストからインドネシアコーヒーについて20分くらい熱く語られたのを思い出す。超細挽きにしたコーヒーの粉をそのままカップに入れて上からお湯を注ぐ→スプーンでかき混ぜてコーヒーの粉が下に沈むまで数分待つ。これで終了!

初日にこれを出された時、この飲み方に衝撃を受けたのを今でも覚えている。なぜフィルターを通さないんだろう、いくら細かいとはいえ粉が口の中に入ってしまうのがどうしても気になる!このホストだけがこんな飲み方しているのかな、随分変わった人だなーとこの時思ってしまったのが正直だが、この飲み方が一般的だということをバリで数週間過ごして気がづいた。約一か月経った今では当時の衝撃も忘れかけ、少し美味しいとすら思う。(カフェでわざわざ頼むほどではないがw)

毎朝ホストが淹れてくれるこのインドネシア珈琲を飲むというのが朝の日課なのだ。

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